しゃっくりは誰でも
経験のあるありふれた現象ですが、
まれにしゃっくりが止まらず、
治療の対象になる場合もあります。
中には重大な疾患が
原因になっている事もあり、注意が必要です。
もう30年以上前、
研修先の病院には院内調剤で、
しゃっくりに対して
「柿のヘタ」というくすりがあり、
面白いくすりがあるものだと思った記憶があります。
実際に処方する機会はなく、
その後も医療用薬剤としては
どこでもすぐに手に入るくすりではない
(むしろ薬局で柿蔕湯、
ネオカキックスとして売っている)ので、
処方経験はありませんが、
ある程度効くようです。
漢方では、
ゴシュユトウ、シャクヤクカンゾウ、
トウカクジョウキトウの
3剤併用が著効するとの意見もあります。
シャクヤクカンゾウはこむら返りの特効薬ですが、
しゃっくりは横隔膜の痙攣ですから、
薬効薬理的には効くはずですね。
その他、西洋薬では、クロルプロマジン
(これは米国FDAがしゃっくり治療として唯一認定、
有効率81%とのこと)、
カルバマゼピン、クロナゼパム、
バクロフェン、リボトリール、などなど。
鼻咽頭刺激法、
これは綿棒やこよりで
鼻の奥を咽頭部に当たるまで突っ込んで
何回か刺激するのですが、
かなり効果があるようです。
手術の麻酔中や
救急外来での処置で行われる手技です。
冷水を一気に飲む、
舌の上に大さじ1杯の砂糖を載せて
唾液とともに一気に飲み込むなどありますが、
いずれも迷走神経刺激法と言えます。